オブザーバーの幻影たち
女の子ってこの世界に、本当に存在するんでしょうか?
どこにでもいるように見えるが、実は存在していなくって、カップルだとか結婚なんかはフィクションであって、彼女らは何かの陰謀で作り出された幻想なのではないだろうか。
つまり何がいいたいかと言うと、僕の人生には華がない。孤独が僕を蝕み、何も考えたくない。そんな毎日。
ピピピ、ピピピ
嫌と言うほど聞いてきた悪魔の音源が、今日も僕を現実に連れ戻しに来たようだ。
「今日は、ダメだったか、、、、。」
変わらぬ朝がやってきた。楽しかった休日が終わり、また労働の日々が始まる、僕はそんな現実から目を背けるため、携帯の目覚ましを何度も何度もかけてる。
理由は簡単。たくさん寝た気分になるからだ。まぁ、そんなことはどうでいい。
半分死んだような形相で重い足を引きずり、今日も仕事行く。これが社会というものなんだ。
ふざけるな!と言いたいところだか、そんな元気も金もない。
「みんな死ねばいいのに」
そう呟くと、僕はいつも通り会社へと車を発進させた。
7月2日
今年で三年目になるこの会社も、大分馴染んできた気がする。
昔は、理想の仕事なんてのを想い描いていたが、現実は同じような仕事を淡々とこなす変わらぬ日々。
いつもの如く黙々と働いていると、血相を変えた社長が、僕のもとにやって来た。
「まつくん、これ不良品。あんだけ良く確認しろといったのに、まったく。ろくでなしが。」
「はい、すみません。でも、」
「でもじゃない。言い訳はするな」
「はぁ。」
ろくでなし、その言葉が僕の胸に深く突き刺さる。そんな相手を傷つけるためだけに、存在するような言葉を、よくもまぁそんなに簡単に人に言えたものだ。
あいつは、糞野郎。さっさとくたばれ。
それに、僕からしたら怒られると分かっていて、わざと失敗している人なんて居ないのだから、怒る必要が何処にあるのだろうか?
仮にもし後輩が会社の経営が傾くような失態や損失を出したとしても、僕は、絶対に怒ったりしないだろう。変わりに復讐してくれてありがとうなんて考えるのが僕と言う人間だ。
この世界はグス野郎で溢れてる。僕からしたら、こんな世界など本当にどうでもいい。ようするに他人事なのだ。