オブザーバーの幻影たち vol.2
と心のなかでは虚勢をはりそう思いつつも、僕は目から涙がこぼれ落ちそうになるのをグッとこらえていた。
アイツに言われた「ろくでなし」の一言が僕の心を鷲掴みにし、放さない。悔しくてたまらないのに今の僕にはどうすることもできないのです。
そうしてグズグズ考えているうちに、1日は終わって行く。
僕を閉じ込めていた、会社という檻をくぐり抜け、安息の地への帰路へつく。扉を通り抜けるごとに僕の気持ちは軽くなっていくのを感じる。
僕は、出社の時とは比べ物にならないぐらいのスピードで帰宅し、家につくとすぐさま風呂に入ってからベットに直行した。
他の人が見たら、この生活は明らかにおかしい。
ベットにばかりこもる生活は、まるで病人のようだった。
だけど、僕には他のだれにもいっていない秘密がある。ただの現実逃避のためではない秘密が。
それは、夢の世界で行動することができるということだ。成功率は決して高くはないが、希に成功する。最近は、まったく成功してないのだが、、、、、。
僕は、使い慣れたベットに大の字で横になり、目を閉じる。
目を閉じるということは、明日がもうすぐ始まると言うことになる。明日は必ず来てしまう。辛い現実は続いて行く。そこに、どんな希望があったとしても。
くよくよしてちゃいけない。そう想いならが雑念を一つ一つ、頭の四隅に片付けていると、僕と自然と眠りに落ちていた。